本特集の内容
第1回 リモートワークでも開発クオリティを落とさない
第2回 DXで効率の高い治具を導入する
第3回 スペースと在庫管理にともなうコストを最小限に
第4回 市場投入期間短縮のためのDX ★
【特集：製造に、改革を。④】
Withコロナの時代、製造業は大きな転換点を迎えている。象徴的な一つがリモートワークへのシフトだ。社員同士のフィジカルな対面の機会が少なくても最低限の仕事は回る、という認識が世間の常識のように醸成されてきている。
ほぼ同じようなタイミングで、「働き方改革」という号令が下っている。残業時間の削減やワークライフバランスの達成、QOLの向上などもたまたま同時期に重なった。
通勤時間が無くなったことで純粋に体が楽になったという人がいる一方で、スピーディに仕事が進められなくなったと感じた人たちも多いかもしれない。「ちょっと確認したい」ということが気軽にできなくなったという人たちもいるだろう。これまでの仕事にやり方を「新しい生活様式」に合わせて工夫しなければならなくなった、という人たちも多いはずだ。
「コロナの影響で売り上げが落ちた」と言いつつも、売上高見通しの下方修正はなかなか難しい。外出自粛要請が出れば社員を出社させられないし、いろいろなプロジェクトが事実上2か月以上フリーズしていたという企業も多いだろう。では今はもう巻き返せているかというとそうでもなく、第2波を警戒しながら慎重に物事を考えている企業も多いのが実態だろう。
残念なことに、様子を見ているだけでは会社の資産は確実に減っていく。一時的なコストカット、リストラなどを重ねていくようでは、いざというときに会社はスタートダッシュができなくなる。収入は売上から得るという健全な形をキープしながら社員の雇用を守るためには、オペレーションコストの削減と業務全体の見直しが必要だ。
売上を一定に維持するためには、一部の製品を除き、一定期間間隔での新製品投入が必須となる。これまで春に秋にクリスマスに正月にと企業が新製品開発の手を緩めてこなかったのは、これに起因する。Time-to-Marketはビジネスの世界では非常に重要なキーワードだ。Time-to-Marketは市場投入期間と訳されるが、要は開発から製品を世に送り出すまでに必要とされる期間を指し、これが縮まれば新製品がより速いタイミングで市場に投入できるため安定的な収入が見込める、というのが一般論である。
では今、各企業はTime-to-Marketを正常に保てているだろうか。おそらく多くのハードウェアを扱う企業では困難に直面しているはずだ。ネット会議で従業員の顔や資料は共有できても、例えばモックアップで色感をみなければいけないものなどは、パソコンのカメラやディスプレイの色表現能力によって余計なフィルタがかかってしまったりするからだ。「じゃあ関係者が一番多く出社するのが来週の火曜日なので、その時会議を設定します」なんてことが繰り返されているようでは、Time-to-Marketは延び、会社はなかなか利益を得られない。
もともと3Dプリンタで製品デザインのモックアップを作ることは新しいアイデアではない。なのでここで単純に3Dプリンタを検討しましょうという話をする必要はない。
ただ、フルカラープリンタ、マルチマテリアル対応プリンタなら話は別だ。色やテクスチャーが必要な製品モデルを3Dプリンタでワンプリントで作れたら、モックアップ作成に関連する工程を大きく効率化できる。
例えばモックアップを3Dプリンタで作った後、専任の塗装担当がそのモックアップに塗装して、初めて製品レビュー会議を行っていたという企業も多かっただろう。しかしそれは、塗装担当が現場にいて初めて成立する理論だ。また、モックアップの塗装が素晴らしく、実際に市場に出る製品とはまた異なる印象を与えていた場合もある。
しかしフルカラー、マルチマテリアル対応の3Dプリンタなら、製品の仕上がりに近いテクスチャーをそのまま選ぶことができる。3D CADで作成したデータでそのまま自宅から職場の3Dプリンタに造形ジョブを流す。精度のいい3Dプリンタなら、同じパーツを複数製作しても同じものが出来上がるので、リモートワークの関係者分同じものを造形してしまえばいい。
「あくまでモックアップで、最終製品ではない」という合意のもと、同じ造形物をリモートでつながったメンバーが一度に眺めてオンライン会議上でフィードバックすることができれば、もしそれ以前はモックアップを外注していた企業の場合、むしろTime-to-Marketを縮めることすら可能だ。フィードバックをもとに造形を繰り返し、よりムダをそぎ落として洗練させていけば、デザインの完成度も上がり、量産にも安心して臨める。業者に外出ししていたことで発生していた造形レビューごとのコスト、タイムロスを大きく削減できるため、気軽な設計見直しが可能になる。
フルカラーの3D造形は正直安くはない。しかしながらTime-to-Marketの短縮と業務全体の効率化、コミュニケーションの活性化などを考えれば、一度考えるに値するだろう。何に投資し、何をセーブするかを熟考することは、Withコロナ時代の生き残り戦略にとって非常に重要な要素だ。
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工業グレード3Dプリンタ
ストラタシスは「工業グレード」として高機能・高再現性を誇る3Dプリンタを提供している。テクノロジーとしては大きく分けて以下の2つである。
FDM方式：熱可塑性樹脂を使用し、熱で固めていく方法で、単一材料での造形となる。現在21種類の樹脂に対応している。使用したい樹脂に基づいてプリンタを選択する。エラストマー、カーボンファイバー素材、中には宇宙での使用に耐えるものなど、特殊用途の材料も取り揃えている。軽量で治具の作成や頑丈なパーツの作成に向いている。
PolyJet方式：インクジェット方式で、UVで固まる樹脂をスプレー噴射して造形する。現在30種類以上の材料に対応している。材料を混ぜることで独自の材質を作ることも可能(デジタルマテリアルと呼ぶ)。こちらはフルカラーに対応しており、複数の材料を同時に使用するマルチマテリアル造型も可能。テクスチャーの再現などが可能なので、デザイン要素が多いモックアップに最適だ。
3D CADデータをクラウド上でレビューできる「GrabCAD Workbench」
GrabCAD Workbenchはオンライン上で高セキュリティの空間をメンバーと共有することができるクラウドプラットフォームだ。特定のメンバーだけ招待制で入ることができ、格納された3D CADデータをいろいろな角度からレビューできる。この空間ではデータの書き換えはできないので、安心してデータを関係者に公開できる仕組みだ。無料なのでぜひ取り入れてみたい。
オンラインで3Dプリンタにつながる「GrabCAD Print」
GrabCAD Printはストラタシスの3Dプリンタに直接アクセスできる専用ソフトウェアだ。PCにインストールして使用する。3Dプリンタが接続されたLANを指定することで、リモート環境から3Dプリンタに接続し、造形キューを送ることができる。もはや3Dプリンタ用のデータ形式に変換する手間すらなくすことができ、GrabCAD Print上でのデータ修正も可能だ。
以上、Withコロナの時代に3Dプリンタメーカーであるストラタシスが提供できるサービスの一部を紹介した。ストラタシスではこのほかにもさまざまなサービスを展開しているので、お困りの場合はぜひ一度問い合わせしてみてはいかがだろうか。
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Learn moreストラタシスではすでに開催されたウェビナーを録画してご用意しております。簡単にご登録いただくだけで、いつでも好きな時間にご覧いただけます。ご興味ある内容をクリックしてゆっくりご覧ください。
FDMの開発企業として産声を上げたストラタシスは、すでに30年以上の歴史をもっている。ストラタシスの製品やサービスは、上記のソリューションを具現化している。以下簡単に紹介する。
工業グレード3Dプリンタ
ストラタシスは「工業グレード」として高機能・高再現性を誇る3Dプリンタを提供している。テクノロジーとしては大きく分けて以下の2つである。
FDM方式：熱可塑性樹脂を使用し、熱で固めていく方法で、単一材料での造形となる。現在21種類の樹脂に対応している。使用したい樹脂に基づいてプリンタを選択する。エラストマー、カーボンファイバー素材、中には宇宙での使用に耐えるものなど、特殊用途の材料も取り揃えている。軽量で治具の作成や頑丈なパーツの作成に向いている。
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| F370 |
Fortus 380 & 450mc | F900 |
PolyJet方式：インクジェット方式で、UVで固まる樹脂をスプレー噴射して造形する。現在30種類以上の材料に対応している。材料を混ぜることで独自の材質を作ることも可能(デジタルマテリアルと呼ぶ)。こちらはフルカラーに対応しており、複数の材料を同時に使用するマルチマテリアル造型も可能。テクスチャーの再現などが可能なので、デザイン要素が多いモックアップに最適。
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| J55 |
J826 | J850 |
3D CADデータをクラウド上でレビューできる「GrabCAD Workbench」
GrabCAD Workbenchはオンライン上で高セキュリティの空間をメンバーと共有することができるクラウドプラットフォームだ。特定のメンバーだけ招待制で入ることができ、格納された3D CADデータをいろいろな角度からレビューできる。この空間ではデータの書き換えはできないので、安心してデータを関係者に公開できる仕組みだ。無料なのでぜひ取り入れてみたい。
オンラインで3Dプリンタにつながる「GrabCAD Print」
GrabCAD Printはストラタシスの3Dプリンタに直接アクセスできる専用ソフトウェアだ。PCにインストールして使用する。3Dプリンタが接続されたLANを指定することで、リモート環境から3Dプリンタに接続し、造形キューを送ることができる。もはや3Dプリンタ用のデータ形式に変換する手間すらなくすことができ、GrabCAD Print上でのデータ修正も可能だ。
以上、Withコロナの時代に3Dプリンタメーカーであるストラタシスが提供できるサービスの一部を紹介した。ストラタシスではこのほかにもさまざまなサービスを展開しているので、お困りの場合はぜひ一度問い合わせしてみてはいかがだろうか。
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上記のような業務改革をご希望の方、またその他の質問について、お気軽にお問い合わせください。早急に折り返しご連絡いたします。