本特集の内容
第1回 リモートワークでも開発クオリティを落とさない
第2回 DXで効率の高い治具を導入する
第3回 スペースと在庫管理にともなうコストを最小限に ★
第4回 市場投入期間短縮のためのDX
【特集：製造に、改革を。③】
Withコロナの時代、製造業は大きな転換点を迎えている。これまでと違う形態のビジネスが必要だと声高に言うコメンテーターの声を聞いてうなずきながらも、「じゃあ具体的にどうやるんだ」とか「何をしたらリスクを下げることになるのか」とか「コストとリスクが上げ止まらない」とか心で反論している経営者も多くいるのではないだろうか。コメントを出すのは簡単だがその実践は難しい。それが世の常だ。
Withコロナというだけでさまざまな不安要素が発生する。三密を避けるために社員の出社や出張を制限したり、リモートワークに移行したりしている企業も多いだろう。では在庫管理はどうだろうか。
修理や交換、増産などに備えて部品をストックしている倉庫を抱えている企業も多いだろう。自身の会社の部品であったり、親会社の部品であったり、保管しているハード部品は多種多様だ。
ところで倉庫というのは持っているだけでお金がかかる。ハード部品をどれだけストックするのかというのはそれぞれの企業が指針を持っていると思うが、いつ使われるかわからない部品のために大量の資金が出ていっているのが現実である。「あの1個の部品を交換」のニーズに応えるための膨大な投資である。
高性能・高再現性を実現する工業グレードの3Dプリンタと関連するクラウドアプリケーションは、これらの問題の救いのひとつとなることが期待されている。ここでは、それぞれの課題と、それに対するソリューションを紹介していきたい。
親会社や取引先企業からの部品を預かっている場合は非常に実現が難しいと思うので、前提として「自社部品の在庫」のために大きな倉庫を抱えていると思って読んでほしい。
自社部品の在庫の必要性自体を考えたことはあるだろうか。「まあ大体いつも最低100パーツくらいは予備を用意している」という運用ルールでなおかつ「そんなに在庫は稼働していない」という場合、単純に在庫数を減らすだけでも費用削減の効果は大きい。倉庫の空きスペースで何かできる可能性がこれだけでも広がる。Withコロナの時代、費用をかけるものは少ないほうがいい。身軽な方が柔軟に対応できるというものだ。
さらに「必ず金型で作らなければいけないものか」という考え方もある。ヨーロッパでは、シーメンスモビリティ社がなんと鉄道のバンパーを3Dプリンタで作って納品している。しかも本来だったら金型で作った2枚のパーツをつなぎ合わせていたものを、3Dプリンタでの対応に変えるため3枚のパーツに設計しなおしたという。「金型」「見た目」の選択肢を少し忘れてみると、「あ、1個ずつ作ってもいいかも。見た目もちょっと表面荒れててもそれほど問題にならないかも」という部品もあるのではないだろうか。接続部品や内部でしか使われないパーツなどは、これに該当するかもしれない。
そこで考えてみたいのが「デジタル在庫」だ。デジタル在庫とは、そのパーツの3D CADデータだけを通常管理し、必要な時にそこから3Dプリントするという考え方だ。3Dプリンタを倉庫内に置いておけば、空いたスペースの有効活用にもなり、他の部品と同じ建物内で動線をまかなえる。データの管理がメインになるので、さらに倉庫のスペースを縮小できる。また、金型を保管しておく必要もない。在庫部品の劣化も免れるので、思った以上のメリットを享受できる。
もちろんこれには該当部品の向き不向きもあるし、3D CADファイルのまめなバージョン更新など気にしなければならないこともあるかもしれないが、熟考には値する。前述したとおり、コロナ禍の中では身軽でいたほうがいいからだ。フェイスシールドなどでより一般化してきた3Dプリンタを活用することは、決して行き過ぎたアーリーアダプターとはならない。
そこで注意したいのが、導入する3Dプリンタの性能だ。3Dプリンタは現在さまざまな種類が存在している。「デジタル在庫」用の3Dプリンタを選ぶということは、「最終製品用の3Dプリンタを選ぶ」ということを意味する。部品の再現性は極めて重要だ。造形のたびに違う部品になっていたのでは、全く意味がないからだ。ねじ部品など嵌め合わせが必要な部品は特に高精度造形が求められる。ただし、そのねじすらも、DfAM(Design for Additive Manufacturing)の考え方のもと、関連部品全体を3Dプリンタ用に改良することでなくしてしまうことも可能である。また、材料の機能性も非常に重要だ。堅牢性、難燃性、耐薬品性など、その部品にもっとも必要な性質を再現してくれる高精度、高機能の工業用3Dプリンタを選ぶべきだろう。
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工業グレード3Dプリンタ
ストラタシスは「工業グレード」として高機能・高再現性を誇る3Dプリンタを提供している。テクノロジーとしては大きく分けて以下の2つである。
FDM方式：熱可塑性樹脂を使用し、熱で固めていく方法で、単一材料での造形となる。現在21種類の樹脂に対応している。使用したい樹脂に基づいてプリンタを選択する。エラストマー、カーボンファイバー素材、中には宇宙での使用に耐えるものなど、特殊用途の材料も取り揃えている。軽量で治具の作成や頑丈なパーツの作成に向いている。
PolyJet方式：インクジェット方式で、UVで固まる樹脂をスプレー噴射して造形する。現在30種類以上の材料に対応している。材料を混ぜることで独自の材質を作ることも可能(デジタルマテリアルと呼ぶ)。こちらはフルカラーに対応しており、複数の材料を同時に使用するマルチマテリアル造型も可能。テクスチャーの再現などが可能なので、デザイン要素が多いモックアップに最適だ。
3D CADデータをクラウド上でレビューできる「GrabCAD Workbench」
GrabCAD Workbenchはオンライン上で高セキュリティの空間をメンバーと共有することができるクラウドプラットフォームだ。特定のメンバーだけ招待制で入ることができ、格納された3D CADデータをいろいろな角度からレビューできる。この空間ではデータの書き換えはできないので、安心してデータを関係者に公開できる仕組みだ。無料なのでぜひ取り入れてみたい。
オンラインで3Dプリンタにつながる「GrabCAD Print」
GrabCAD Printはストラタシスの3Dプリンタに直接アクセスできる専用ソフトウェアだ。PCにインストールして使用する。3Dプリンタが接続されたLANを指定することで、リモート環境から3Dプリンタに接続し、造形キューを送ることができる。もはや3Dプリンタ用のデータ形式に変換する手間すらなくすことができ、GrabCAD Print上でのデータ修正も可能だ。
以上、Withコロナの時代に3Dプリンタメーカーであるストラタシスが提供できるサービスの一部を紹介した。ストラタシスではこのほかにもさまざまなサービスを展開しているので、お困りの場合はぜひ一度問い合わせしてみてはいかがだろうか。
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Learn moreストラタシスではすでに開催されたウェビナーを録画してご用意しております。簡単にご登録いただくだけで、いつでも好きな時間にご覧いただけます。ご興味ある内容をクリックしてゆっくりご覧ください。
FDMの開発企業として産声を上げたストラタシスは、すでに30年以上の歴史をもっている。ストラタシスの製品やサービスは、上記のソリューションを具現化している。以下簡単に紹介する。
工業グレード3Dプリンタ
ストラタシスは「工業グレード」として高機能・高再現性を誇る3Dプリンタを提供している。テクノロジーとしては大きく分けて以下の2つである。
FDM方式：熱可塑性樹脂を使用し、熱で固めていく方法で、単一材料での造形となる。現在21種類の樹脂に対応している。使用したい樹脂に基づいてプリンタを選択する。エラストマー、カーボンファイバー素材、中には宇宙での使用に耐えるものなど、特殊用途の材料も取り揃えている。軽量で治具の作成や頑丈なパーツの作成に向いている。
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| F370 |
Fortus 380 & 450mc | F900 |
PolyJet方式：インクジェット方式で、UVで固まる樹脂をスプレー噴射して造形する。現在30種類以上の材料に対応している。材料を混ぜることで独自の材質を作ることも可能(デジタルマテリアルと呼ぶ)。こちらはフルカラーに対応しており、複数の材料を同時に使用するマルチマテリアル造型も可能。テクスチャーの再現などが可能なので、デザイン要素が多いモックアップに最適。
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| J55 |
J826 | J850 |
3D CADデータをクラウド上でレビューできる「GrabCAD Workbench」
GrabCAD Workbenchはオンライン上で高セキュリティの空間をメンバーと共有することができるクラウドプラットフォームだ。特定のメンバーだけ招待制で入ることができ、格納された3D CADデータをいろいろな角度からレビューできる。この空間ではデータの書き換えはできないので、安心してデータを関係者に公開できる仕組みだ。無料なのでぜひ取り入れてみたい。
オンラインで3Dプリンタにつながる「GrabCAD Print」
GrabCAD Printはストラタシスの3Dプリンタに直接アクセスできる専用ソフトウェアだ。PCにインストールして使用する。3Dプリンタが接続されたLANを指定することで、リモート環境から3Dプリンタに接続し、造形キューを送ることができる。もはや3Dプリンタ用のデータ形式に変換する手間すらなくすことができ、GrabCAD Print上でのデータ修正も可能だ。
以上、Withコロナの時代に3Dプリンタメーカーであるストラタシスが提供できるサービスの一部を紹介した。ストラタシスではこのほかにもさまざまなサービスを展開しているので、お困りの場合はぜひ一度問い合わせしてみてはいかがだろうか。
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上記のような業務改革をご希望の方、またその他の質問について、お気軽にお問い合わせください。早急に折り返しご連絡いたします。